2014年2月12日
新人の武器とは
連日の雪からようやく解放されたかと思いきや・・・
また金曜日から雪模様の情報が・・・
僕たちの外部工事は雪に見舞われるとお手上げです(・.・;)
積もらないこと祈るばかりですね
さて 今日は新人の頃のお話をしてみようかと思います
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誰にでも新人時代があります
ランドガーデンにも後日ご紹介致しますが
1月から新人が入社しております
研修期間を終え りっぱなガーデン業界の世界で
生き抜きたいと頑張っております。
そんな新人にとりお客様とのやりとりなど
すべて緊張していく時間ですね
そんな新人さんにひとつの質問をします
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ベテランにはない、新人の最大の武器はなんですか?
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この質問をすると新人さんは考え込みますね
ひとつの答えとして
僕は、新人として初めてお庭を担当させて頂いた
T様から教えて頂いた答えがあります
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今から15年ほど前に僕が現場から
ガーデンの営業としてスタートした当時の話です
当時の代表は庭づくりの営業やプランナーとして未経験の自分に
いきなりお庭づくり依頼のお客様宅へ
一人で訪問し、プランを作り
最後までやってみろと指示をうけます
樹木や花のことはある程度は
話ができましたが、庭の提案などはできるはずもありませんでした
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ピンポーン・・・
緊張し、脈拍が急浮上している羽生田君
奥様が出てらっしゃいました・・
おそるおそる名刺を渡し
自己紹介をさせて頂きます・・
奥様は話始めました・・
「庭をつくってほしいのだけど、どうしたらいいかわからなくてね」
僕はとにかく焦りまくり
会社の施工事例を見せます・・
こんな感じでお庭造ってます(・.・;)
奥様は写真を見て
素敵ですねーと感心しております
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しばらくすると
「施工事例はわかったわ、それでうちはどうしたら良くなるの?」
僕は動揺しました・・・
えっと、ここは・・どうしたら???
な、何を話せばいいの??う、う、言葉がで、でない(;O;)
冷や汗がタラタラ・・・
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奥様はそんな自分に苛立ち言いました
「あのーー、すごく緊張が伝わってくるし、汗かいてるし
どうしたんですか?<`ヘ´>
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僕はあきらめました・・・
「はい、実は僕は新人で、今日初めてお客様の所にきました・・
なにもしらない新人です、だから提案など とてもできないです、すみませんでした・・・(/_;)」
素直に謝罪しました。
すると奥様は言いました。
「わかるわよ、そんなのはすぐ・・
私が怒っているのは、なぜなにもできない新人さんを一人で
私の所に来させるのか?あなたの会社に怒っているの」
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僕はうなずきました・・・
「はい、本当にすみませんでした・・・
でもお願いがあります・・今日T様とお会いできたのは自分にとり
ずっと忘れられない時間になります
だから、教えて頂けませんか?
こんな感じで営業がきたら、他社の方はどう話、どう提案していくのか?
教えてください!!」
僕は必死で奥様に頭を下げました
と奥様は言いました・・・
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「実は私は会社で、新人を教育してく立場なの
だからあなたの気持ちはわかるわ・・
じゃ、教えてあげるわ」
「まず、お客さんの希望や、要望をしっかりと聞くこと
そしたら、それに対してあなたの提案を話していくのね・・・」
・・
奥様からの講義で、僕は緊張がとれ
「あ、そしたらここに枕木を立てて、フェンスを後方に
設置したらどうですか?」
僕が話始めると奥様は
ボンっと肩を叩いてくださました・・
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「そう、その調子よ・・」
そんなやりとりの中、ひとつのお庭のプランができてきました・・・
「できましたね!!こんな感じなら素敵ですね(^^♪」
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「いいじゃなーい(^O^)y
こんな庭なら手に入れたくなるわね」
「でもね、ここまではいいけど、肝心なのはここからよ」
僕は息を飲み込みました・・・
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「これ・・・いくらでできるの??」
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「えっ!!??・・わ、わかりません・・社長に聞かないと・・・」
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「ね、わかった??絵を書くまでなら私もできるわ・・
問題はこれがどの材料使い、いくらかかるかなのよ」
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「は、はい!!すぐ会社に帰り、金額調べます!!」
僕はすぐに事務所に戻り、社長に相談しながら見積もり書を作成しました
「できた(^O^))、金額わかったあ、電話しなきゃ・・・」
僕はT様に電話をかけました・・
「T様、さきほどのプラン、金額がわかりましたよ!
○○万円です!!(^O^)」
すると奥様は言いました・・・
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「わかった・・でもね羽生田さん・・
私の予算はね、その金額の半分よ・・・」
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「え!!!、は、半分・・・」
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「わかった?、大事なのはね、お客さんは予算があるのよ、
その予算の範囲で提案し、見積もりをしないといけないでしょ?」
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「は、はい、でもどうしたら・・・・」
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「それがあなたの仕事でしょ?、どうしたら金額内のプランになるのか?
やってみなさいよ」
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「は、はい!!!少し時間をください!!」
僕は社長に相談し、希望金額より1,3倍のプランまで縮小することができました・・
「T様!できました・・で、でも・・
予算より15万もオーバーしてます・・これ以上縮小できなくて・・・」
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「そう、しかたないわね、でもこれ以上削りたくないわ・・・
予算オーバーだけど、これで契約するわ・・」
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僕は感動して、涙がこぼれそうになりました
「えっ、いいのですか?僕はまだ新人なのに・・・」
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「私の庭でしっかり勉強してね、期待しているからね」
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僕はこの時の契約を一生忘れないと思います。
そしてこのT様と出会わなければ、自信を失い
潰れていたかもしれません
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そんな契約から1年がすぎました・・・
なんとそのT様から、リピートのお庭の依頼があったのです
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僕は自分の成長を見てもらいたくて
自信に満ち溢れて訪問します
そして、プロの営業マンのように
ペラペラしゃべり、レベルが高まった自分の姿を
T様に披露するかのように提案していきます・・・
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何度か商談をして、もうこのあたりで決めて頂けるかな?と電話をかけました
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しかし、T様からは思いもよらない言葉が出てきたのです・・
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「はっきり言いますね、なんだか押し売りみたいだし
言葉が軽く感じるし、この提案に気持ちが入っているように感じない・・
がっかりだわ・・・」
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僕は衝撃を受けました・・・
な、なぜ?1年前の自分よりはるかに経験値を積んだし、レベルも高くなったのに・・
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奥様は言いました・・
「あのね、私が前回仕事を頼んだのはね、
新人でも一生懸命私と向き合い、情熱が伝わってきたからなの
すごく一生懸命で、とても断ることなんてできなかったわ・・
でも、今の羽生田さんは
なんだかね、やり手の営業マンみたいになっちゃったし、
あの時の純粋な情熱も感じなくなっちゃてさ・・」
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僕は大変なショックを受けてしまいました
自分ではすっかり成長したつもりでした・・
でも本当に大切な気持ちを、自然に失っていたことを・・
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その時にT様に教えて頂いたのです
この仕事をしていくのに プロの話上手の営業トークなど
必要ないし、上手に話せなくてもいいし、
背伸びすることなく、ありのままの自然体の自分でいいし
どんな経験がなくても、一生懸命にお客様と向き合い
情熱を持っていけば、新人の自分にも仕事を発注してくれたことを・・
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初めてお客様のところに訪問し
初めて提案し、そして初めて契約をして、そして初めて工事をさせて頂いたT様邸
自分にとり、新人時代の最高の宝の経験となったのです
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新人の最大の武器はなんであるのか?
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その答えは・・・・新人であることです
ベテランにはない新人の純粋な情熱
ひたむきな姿勢・・
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この武器を大切にして
新人さんには育っていってほしいと思います。